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佐倉出身31歳元教諭 佐藤さんペルーで事故死 自転車世界一周、志半ば 「挑戦の大切さ伝えたい」

自転車世界一周旅行を前に児童から受け取った寄せ書きの旗を掲げ意気込んだ佐藤さん=昨年6月、印西市立木刈小学校
参照:千葉日報
(佐藤さんのものとみられるブログから)
参照:千葉日報

 「子どもたちに広い世界を伝えたい」と、自転車で各国を巡る旅行に出かけた佐倉市出身の元小学校教諭、佐藤文彦さん(31)が今月、南米ペルーで交通事故に遭い亡くなった。志半ばでの訃報に、昨年3月まで教壇に立っていた印西市立木刈小学校の当時の校長は「子どもたちに夢を与えようと挑戦を続けていたのに。とても残念」と言葉を詰まらせた。

 ペルーの現地メディアなどによると、佐藤さんは北部グアダルピトで今月4日にトラックにはねられたという。病院に運ばれたが、頭を強く打っており7日までに死亡した。所持していたパスポートに佐藤さんの名前があった。

 佐藤さんは4~5年をかけ世界一周する予定だった。南米の後はユーラシア、アフリカを訪れ、中国からの帰国を目指しており、道中から生活環境や教育現場の違いなどをブログやSNSで教え子たちに向け発信してきた。

 佐藤さん本人のものとみられるブログによると、最近は北米大陸を経て南米を旅行中だった。8月4日付の最新のブログでは『明日はペルーに入るぞ』と意気込みを記していた。

 旅行に出発する直前には千葉日報社の取材に答え、「子どもたちに世界の広さ、挑戦することの大切さを伝えたい」と抱負を披露。受け持ちの児童らが寄せ書きしてくれた旗に笑顔を見せていた。

 木刈小の当時の校長だった片岡正行さん(59)=現印西市立西の原中学校長=によると、校内には佐藤さんのブログから抜粋した写真が掲示されており、多くの児童が日本との文化や習慣の違いなど学んでいた。

 佐藤さんは4月ごろ、体調を崩すなどしていったん帰国したが、その際、木刈小を訪れ児童らに旅先での体験談を伝えたり、陸上競技の指導も行ってくれたという。

 片岡さんは「教師を辞めた今も、子どもたちに慕われている。旅を再開したさなかだったのに」と突然の悲報に言葉を失った。報道で事故を知った父母らから学校への問い合わせもあった。

記事元:千葉日報

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