
青い目印に沿っていわき七浜海道を走行する自転車愛好者=いわき市小名浜・三崎公園
参照:福島民友新聞
東日本大震災の津波で被害を受けた、いわき市で9日、海岸線の道路や防潮堤などを活用して整備が進められているサイクリングロード「いわき七浜海道」の一部区間の利用が始まった。市によると、防潮堤を活用したサイクリングロードは東北でも例がないという。
風光明媚(めいび)な海岸線を生かした観光交流人口の拡大や、市民らの健康増進を目的に、市が整備している。
同市勿来地区―久之浜地区の総延長約53キロを結ぶいわき七浜海道は、市道勿来久之浜線(国道、県道と重複)の愛称。この日は、勿来の関公園(勿来町関田)―三崎公園(小名浜下神白)の約26キロが利用可能となった。全線の完成は来年度中の見込み。
サイクリングロードには、ルートを示す目印や距離表示板、注意喚起看板などを設置。道幅約3メートルの防潮堤には柵を設け、転落防止を図っている。
三崎公園で同日行われた完成式で、清水敏男市長は「復興のシンボルとして、津波被災地の街並みが復興再生に向け力強く進む姿を広く発信できると考えている」とあいさつした。
式典イベントの走行会に参加したいわきサイクリングクラブの箱崎恵子さん(58)は「景色がよく、潮風も気持ちよかった。自転車走行用の目印があることで、車も安全に配慮してくれている感じがした。早く全線開通してほしい」と語った。
記事元:福島民友新聞 2019.08.10