
参照:茨城新聞
自転車専用道路「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)が国交省から日本を代表する自転車ルート「ナショナルサイクルルート」の第1次候補に選ばれたことを受け、茨城県はインバウンド(訪日客)の観光誘致に力を入れる。県内で自転車ツアーの観光案内をするガイドを対象に英語での案内講座を開催するなどサイクルツーリズム(自転車観光)を強化するため、外国人受け入れの態勢を整える。
県は外国人観光客を適切に迎え入れるため、日本サイクリングガイド協会公認として、自転車ツアーのガイド役「サイクリングサポートライダー」を養成している。昨年と今年で計40人を養成。うち15人は既に自転車の催しやツアーでガイドとして活動している。
さらに訪日客への対応を強めようと、サポートライダーを対象にしたインバウンド対策にも着手。まず特別講座を9月25日、土浦市役所で開いた。同協会公認ガイドの田代恭崇さん、石塚裕也さんらを講師に10人が参加した。
講座で石塚さんは北海道でツアー客の7割が訪日客という実績を報告。「外国人は雪や紅葉をものすごく喜ぶ。言語よりも、もてなしの心を出すことが大事」と話した。田代さんはガイドでは必要最低限の英語を覚えることを助言し、スマートフォンの翻訳アプリの音声を流したり、観光地の説明文をあらかじめ翻訳して録音したりして伝える方法を伝授した。
この後、参加者はつくば霞ケ浦りんりんロードに自転車で乗り出し、コース上で英語による解説を行って実践した。
外国人客をガイドした経験があるという石岡市染谷の中島正幸さん(41)は「景色や見どころに感動するポイントは日本人と同じ。地元で面白いものを自分なりに探して、訪日客にも感動を伝えられれば」と見据えた。
県はこれまで自転車が盛んな台湾のメディア関係者を招いたツアーも開き、ガイドを実践した。県地域振興課交流プロジェクト推進室の中村浩室長は「東京に近く、空港や自転車道がある本県の強みを生かして訪日客を増やしたい」と期待した。県は今後も講座やツアー開催などインバウンド対応を進める方針。(綿引正雄)
記事元:茨城新聞