
参照:上毛新聞
群馬県の伊勢崎豊受小6年の茂木和温さん(11)が今夏、自転車で天保山(大阪)から富士山を目指す「マウンテンバイクジャーニー」に参加した。2週間をかけて同学年の仲間4人と750キロを走破。多くの出会いとかけがえのない経験を得た。17日には同行した自転車旅人の西川昌徳さん(36)=兵庫県姫路市=と共に、伊勢崎市民プラザで旅の報告を行う。
西川さんは自転車で国内外を旅しており、訪れた国は36カ国、距離は9万キロに及ぶ。その生き方から何かを学んでもらおうと、伊勢崎市内の複数の小学校で数年前から西川さんを招いた特別授業や講演会を開催。5年生の時に西川さんの話を聞いた茂木さんは、その内容や人柄に引かれて今回の旅への挑戦を決めた。
茂木さんと、北海道、青森、静岡、三重から集まった6年生計5人に、西川さんら大人2人が同行。決められた行程はなく、起床時間やその日の移動距離、食事のメニューなど、毎日ミーティングを開いて子どもたちで計画した。地図係やお金の記録係といった役割も分担した。
日中は休憩や食事を挟みながら移動し、夜は橋の下の河原などに各自が一人用テントを設営して寝た。道中、子どもたちの挑戦を知った干物店の人が商品を分けてくれたり、道行く人が声援を送ってくれたりしたこともあったという。
親元を離れ、初めて会う人たちと過ごす2週間。「不安もあったが、同じ目的で集まる仲間。きっと仲良くできると思った」と茂木さん。旅を終えた直後は、達成感とともに「終わっちゃったな」という寂しさを感じた。
母親の香野さん(40)は「以前は『どうしたらいいの』と聞くことが多かったが、自分で考えて行動するようになった」と娘の成長を実感。同世代の子を持つ親にも西川さんの話を聞いてほしいと思っている。
今回の挑戦が決まった後、茂木さんは旅費の足しにしようとマクラメ編みを習い、ブレスレットなどにして販売した。「多くの人が応援してくれて、人って優しいなと思った。旅に行くと周りの支えが分かる。自分が動けば周りも動く」
報告会は午前10時から。伊勢崎北小で西川さんの授業を受けた卒業生が企画した。参加費は一般1000円、小中学生500円。
記事元:上毛新聞 2019.11.16