便利な電動アシスト自転車ですが、電気を使うものだけに雨ざらしや、深い水たまりへの浸入は悪い影響がありそうです。では、どのくらいの水に耐えられ、長持ちさせるにはどんな注意が必要なのでしょうか。
電動アシスト自転車はどこまで漬かるとダメなのか
一般的には、電気製品は水に漬かっていけません。その一方でクルマもバイクも自転車も浅い水たまりを通過するくらいなら問題はありません。バイクと電気製品の中間くらいに位置する電動アシスト自転車はどこまで水に漬かるダメとしているのでしょうか。
結論からいうと、その基準はアシストモーターのユニットなど、電気に関わる部分が水に浸からない高さまでとなります。また、電動アシスト自転車が横倒しになっている状態で水がかかったら、少しの雨量でも点検した方がよいとされています。
国内大手の自転車メーカーでは、アシストモーターの多くは車軸や駆動ギア(ドライブスプロケット)の付近に搭載されている車両が多く、この位置が水のデッドラインとなるとしています。
横倒しでは水に弱い
しかし、自転車が倒れていた場合は別です。ハンドルバーに取り付けられるスイッチや、動作用のバッテリー、モーターなどの部品は真上から掛かる水を想定しており、横や下からの水には弱いからです。
例えば、パナソニックでは電動アシスト自転車の防水能力に関して説明書に「真上から降るシャワー程度の雨に対応」(手元スイッチ・ライト)や「真上もしくは真横からのシャワー程度の雨に対応」(バッテリー・モーター)と記載があります。これは、場所によっては横からの水の侵入や、高圧洗浄機やホースからの水圧・水量には耐えられないということを示唆しています。
あわせて意識しておきたいことは、自転車は転倒する可能性がある乗り物であり、その際に部品カバーが割れたりひびが入ったりする場合も、そこから水が浸入することになります。また割れていなくても部品の歪みから部品の合わせ面に隙間ができる状態も防水能力を低下させます。
倒さず、濡らさず、大切に扱うこと
電動アシスト自転車は可能な限り、「倒さない」「濡らさない」ということが重要といえます。高価な部品であるバッテリー、モーター、スイッチなど、通常の自転車にはない部品を守ることが、故障せずに乗り続けられる秘訣といえそうです。
そこで、雨対策としてよく活用される自転車カバーはとても有効だと考えられますが、あくまで風が自転車を倒すほどではない場合の話です。台風や、突風では自転車カバーを取り付けていることで風をうけ転倒する原因にもなります。
著しい悪天候が予想される場合は、風を避けるように塀や壁に寄せたり、屋根付き駐輪場、可能ならば室内に一時的に置くのも有効な対策といえます。
手元のあの部品の予防交換も必要?
ある販売店では、劣化したスイッチ交換を推奨しているという話があります。ハンドルに付いている電源やモード切替のスイッチの表面のシートが操作しているうちに劣化し、破れて水が浸入してしまうと、異常な動作をするだけでなく、モーターやバッテリーなど広範囲に故障が広がる可能性があるからです。

参照:バイクのニュース
便利な電動アシスト自転車ですが、一度でも浸水してしまった場合や、保護パーツの破損などによって重要な部分への水の侵入が疑われる場合は、「このくらいは大丈夫」と思わずにすぐに点検や整備が必要です。安全に長持ちさせるなら、日頃の点検やメンテナンスがなにより重要なのではないでしょうか。
【了】
記事元:バイクのニュース