
参照:静岡新聞
三島市本町のそば屋「蕎麦宗」の店主でアマチュアロードレーサーの山川宗一郎さん(47)が、25日に台湾で開催される「台湾キング・オブ・マウンテン・チャレンジ」(通称・台湾KOM)に出場する。完走率が5割を下回るという「世界一過酷」なヒルクライムレース。店で募った寄付金で参加費や交通費などを賄い、客の後押しを受けて世界最高峰の山岳コースに挑む。
台湾KOMは標高約3300メートルの頂上を目指し、105キロを3~5時間で一気に駆け上るレース。平地と高地の寒暖差が激しく、厳しい環境条件に挑むトップレベルのアマチュア選手が世界各国から集まる。過去には11年のツール・ド・フランスで総合優勝を果たしたカデル・エヴァンス、14年総合優勝のヴィンツェンツォ・ニーバリら一線級のプロレーサーも出場した。
山川さんは6年ほど前から国内レースに年間3~4回出場しているが、海外大会への挑戦は初めて。テレビで台湾KOMの特集を見て「いつか走ってみたい」との思いを抱き、知人のロードレーサーに誘われて参加を決めた。常連客からの提案で8月に店内で募金箱を設置して支援を呼び掛けたところ、初めて来店した客も協力するなど計10万円ほどの寄付が集まった。
片道約10キロの通勤や食材の仕入れに自転車を使うなどの日ごろの鍛錬に加え、現在は富士山、箱根山を登る練習を増やしてヒルクライムレースに備える。台湾KOMについては「厳しいレースになることは間違いない」。常連客ら大勢の支えに感謝し「期待を背負って走るのは楽しい。みんなにも勇気や元気を与えられるような走りができれば」と意気込む。
記事元:静岡新聞