
鳥取県境港市と米子市を結ぶ弓ケ浜半島に県が整備していた約15・8キロの「白砂青松の弓ケ浜サイクリングコース」全線が完成し、22日に境港市で開通式があった。開通により、境港市から岩美町まで県内の東西約140キロを貫く「とっとり横断サイクリングルート」が完成した。
開通したコースは、境港市の夢みなとターミナルから米子市の皆生温泉の日野川河口まで。日本海に臨む砂浜や松林などを走り、遠くには大山や島根半島も見える。また、とっとり横断サイクリングルートの愛称が「鳥取うみなみロード」と発表された。
開通式で、平井伸治知事は「多くの感動を呼び起こすような自信のあるルート。多くの方に走り込んでいただき、英気を養い、体を養い、観光などの起爆剤になればと思う」と話した。
式典の後、有志による走り初めがあり、倉吉西高を卒業し、5月に日本競輪選手養成所に入る宮本杏夏(きょうか)さん(18)ら県内外の人がさっそく自転車でコースを走った。走り終えた人たちは「風が強かったが、境港からは追い風で気持ちよかった」「起伏がなく走りやすいので、地元の人の健康作りにもよい」などと話していた。
県は今後、鳥取うみなみロードの全線開通を記念した県横断サイクリングイベントを予定している。中国地方の他の4県や愛媛県などとも連携しており、「やまなみ街道」(松江市―広島県尾道市)や「しまなみ海道」(広島県尾道市―愛媛県今治市)などを含めた広域的なサイクリングルート網の一部になる。
今回のコースには、既存の生活道路や遊歩道を活用した部分も含まれる。県の担当者は「安全を考え、コースの定期的な点検など、事故のないようにしていきたい」としている。(大谷秀幸)
記事元:朝日新聞
