ルートナビや栄養補給タイミング通知などを追加!
ポラール・エレクトロ・ジャパンは、GPSの記録を最大100時間可能なアウトドアスポーツウォッチ「Polar Grit X」(ポラール グリット エックス)を、2020年6月4日に発売する。
「ポラール グリット X」は、登山やトレイルランニング、マウンテンバイクなど、アウトドアスポーツを長時間楽しむユーザに向けて開発されたモデル。バッテリーのスタミナは、トレーニング時にGPSや心拍計測などの全機能を使った場合は最大40時間、心拍計測機能をオフにしてGPSの記録間隔を2分にした省電力設定「ウルトラモード」の場合は最大100時間の連続使用が可能だ。

カラーは、「グリーン」「ブラック」「ホワイト」の3色で展開。あわせて、交換ベルトは付属のシリコン製の標準カラー(写真)のほかに、ウーブン製や革製が同時発売される
同ブランドは、GPSと心拍計測機能を搭載したウォッチとして、ハイエンドの「Polar Vantage V」(税込76,780円)やミドルレンジの「Polar Vantage M」(税込41,580円)、そしてフィットネス向けの「Polar Ignite」(税込30,580円)などを展開しているが、本モデル「ポラール グリット X」は、GPSと心拍計測機能に加え、栄養補給リマインダーやナビゲーション機能など、長時間スポーツをより効率的に楽しめる新機能が追加されている。
メーカー希望小売価格は、65,780円(税込)。
ここでは、新機能を中心に本モデルの魅力を紹介する。
【注目の新機能1】お腹が空く/のどが渇く前に補給タイミングをアラート
新機能「FuelWise 栄養補給リマインダー」は、1回に補給する炭水化物量とトレーニング時間、平均心拍ゾーンを設定することで、エネルギー補給回数を把握できる機能。トレーニング中には、心拍数の状況に応じて、適切なタイミングでエネルギー補給のアラートをウォッチ本体に通知する。また水分補給についても、トレーニング中に摂取が必要な総水分量を事前に把握可能で、設定した時間ごとにアラートを通知する。
これらによって、トレーニング前に適切な量の補給食を用意できるうえ、トレーニング中には最適なタイミングで栄養食や水を補給できるため、エネルギー不足による低血糖状態「ハンガーノック」や脱水症状を起こす可能性を抑えられるという。


アラートは、ウォッチ本体にアラーム音+振動で通知。登山やトレイルランニングなど、時間の長いセッションを行う場合に便利だ

トレーニング後は、そのトレーニングの消費カロリーと、エネルギー源となった炭水化物、タンパク質、脂質の3つの栄養素の割合を分析して表示
【注目の新機能2】上りや下りごとのデータを自動計測!
「Hill Splitter」は、登山やトレイルランニング用の新分析ツール。アップヒル(上り)やダウンヒル(下り)、平地といった走行している道の状況を、本体内蔵の気圧計が自動判別。各セクションにおけるスピードや距離などのデータを閲覧できる。たとえば、「上り区間のみの走行スピード」など、トレーニングに必要なデータだけを抽出して見られるわけだ。

本体のディスプレイでも、セクションごとの計測データを表示。写真は、自転車で走った際の記録の一部。1回目のアップヒル区間を、平均時速15.2kmで8.01km走行したということがわかる

スノーボードで「Hill Splitter」を利用した結果。さまざまな数値を一覧できる。下部のグラフは、上から心拍数、走行ペース、アップヒル/ダウンヒルの高度
【注目の新機能3】初めての道でも迷う心配を減らすルートナビ機能
「ルートガイダンス」は、ドイツのkomoot社が提供するルート作成アプリ「komoot」と連携する新ナビゲーション機能。「komoot」で作成したルート情報(GPX/TCXファイル)をウォッチ本体と同期することで利用できる。

「何m先を左折」など、次の進路変更までの距離と曲がる方向が表示される

もちろんコンパス機能も搭載されており、登山時に紙の地図などでルートを再確認する際に参考になる
心拍計測機能や防水性能も向上
以上の3つの注目すべき新機能のほかにも、従来モデルからの改善点がいくつかあるので紹介しよう。
光学式心拍センサーが進化
まず、従来モデルでも搭載されていた光学式心拍センサー「Polar Precision Primeセンサー」が進化している。
本機の心拍センサーは、グリーンとレッドにオレンジを加えた3色のLEDを計10個使用することで、血管の状態をより正確に把握できるようになった。さらに、皮膚への接触状況を把握する電極センサーや、手の動きにより発生する誤差(モーション・アーチファクト)の補正を行う3D加速度センサーも搭載。これらにより、心拍数計測の精度を高めることに成功しているという。

本体裏面に搭載された新しい「Polar Precision Primeセンサー」。モーションノイズを除去するため、より正確な心拍データが計測できる
天気予報を表示
本機は、天気予報API「OpenWeatherMap」と連携。スマートフォンと本機を同期することで、向こう2日間の天気情報をディスプレイに表示できる。


「今日」1日の天候の変化や、向こう2日間の天気をわかりやすく表示
基本スペックを従来モデルと比較
最後に、従来のGPS&心拍計測機能モデルと「ポラール グリット X」の基本スペックを比較してみた。

防水性やスタミナは、ハイエンドモデル「Vantage V」よりも高性能になったことがわかる。
【まとめ】山の中での長時間スポーツに最適!
以上の特徴から、本機はトレイルハイキングやトレイルランニングなど、山の中のスポーツに最適な機能を多数搭載していることがわかった。スイムやマウンテンバイクの計測も可能なので、トライアスロンのオフロード版「エクステラ」でも活躍しそうだ。
もちろん、ランニングパワーや睡眠データも計測可能なので、ランニングウォッチやシンプルなライフログウォッチとしても使える万能モデルとも言える。
ハイエンドモデル「Vantage V」とスペックはほぼ同等で、その一部はより高い機能性を持ちながら、メーカー希望小売価格では11,000円も安い。山中のスポーツの愛好家にとっては、スポーツウォッチの最有力候補にあげられる製品となるだろう。
記事元:価格.comマガジン